月の名称
昨日は中秋の名月でした。
日本の古い記紀には星に関する記述はほとんどありませんが、太陽と月に関しては、たくさんの記述が残っています。
「古事記」には、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の左目から天照大神(あまてらすおおみかみ)が、右目から月読命(つきよみのみこと)が生まれたとされています。
そして「日本書紀」によると月読命が、五穀をつかさどる保食神(うけもちのかみ)を殺してしまったため、怒った天照大神と仲違いをし、それから太陽と月は昼と夜に別れて出るようになった、と言われています。
古来より月は神秘的なものとされ、満月という意味の「LUNA」には狂気という意味もあるのです。
興奮して狼男になっちゃうのもそのせいかしら??
月の周期はほぼ一ヶ月(29.53日)。
そのほとんど毎日の月に美しい名前がつけられているのも日本ならでは、のようです。
![]() | 月齢1 朔(さく) |
「朔(さく)」とは月と太陽との方向が同じ、あるいは陰暦でついたちの意味があります。 新月はNewMoonの訳だそうです。 | |
![]() | 月齢2 二日月・繊月(せんげつ) |
繊維のように細い月、という意味でしょうね。 | |
![]() | 月齢3 三日月・初月(ういづき)・月の剣 |
最も多種の名称を持つ形です。 夕方の西の空に浮かんでいるのが印象的です。 | |
![]() | 月齢7 上弦の月・弓張月 |
半月のことですね。 真昼に上って真夜中に沈みます。 | |
![]() | 月齢15 望月・十五夜・天満月(あまみつつき) |
満月もFullMoonの訳です。 実は月の観測にはあまり向かない月です。 | |
![]() | 月齢16 十六夜(いざよい)・既望(きぼう) |
満月より50分ほど遅れて、いざよい(ためらい)ながら上るという意味。 | |
![]() | 月齢17 立待月(たちまちづき) |
日没後、立って待っていると上ってくる月。 | |
![]() | 月齢18 居待月(いまちづき) |
座って待っているうちに上ってくる月。 | |
![]() | 月齢19 寝待月(ねまちづき)・臥待月(ふしまちづき) |
寝ながら待ってしまうほど遅い時間に上る月。 午後9時頃にようやく地平線から顔を出します。 | |
![]() | 月齢20 更待月(ふけまちづき) |
夜も更けてようやく、というところですね。 亥の刻(午後10時)に上るので「亥中(いなか)の月」ともいいます。 | |
![]() | 月齢23 下弦の月・下つ弓張(しもつゆみはり) |
真夜中に上り、真昼に沈みます。 ちょっと見るのがつらくなってきました。 | |
![]() | 月齢26 暁月 |
三日月の逆、という感じでしょうか。 夜明けの空に上り、昼には太陽の光に紛れてうっすらしか見えません。 | |
![]() | 月齢30 晦(つきこもり) |
月末の「みそか」、月の最後の日でほとんど見えなくなり、生まれ変わって新しい月になります。 |
こうして見ると、やたら「待つ」場面が多いですね。
忍耐強い日本人ならではの発想でしょうか。
あるいは、夜更けに出る月を見ると願いが叶うという言い伝えもあるので、様々な名称が生まれたのかも知れませんねっ。
地方によって他にも様々な名称があり、言い伝えやおとぎ話もたくさん残っているようです。
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コメント
しのぶさん こんにちは.
宵待月(月齢14)もありますね.
投稿: TAMO | 2004.09.29 23:28
しのぶさん、こんばんは。
月の呼び名ですか、見てると日本語ってなかなかロマンティックなのね、と思えてきますね。
私が特にすきな呼び名は「十六夜(いざよい)」かな。あとTAMOさんご指摘の「宵待月」もすてきですね!「待」って単語も、なんだかいいなぁ~。月に酔ってしまいそうです(笑)。
昨日の中秋の名月はね、見よっ!と思ってベランダに出たんだけど、ちょうど天頂辺りの月は雲に隠れて見えなかった。残念。でも、満月だから月明かりが雲間からも伝わってきました。やっぱり月はいいですねっ。
投稿: coply | 2004.09.30 00:31
美しい話題の提供、ありがとうございます。
でも実は私、上弦の月は三日月の上向き(Uの形)で、下弦の月はその逆だとかたーく信じて疑っておりませんでした……。
勉強になります。ぺこー。
投稿: リカ | 2004.09.30 00:56
>TAMOさん
実はこの月の絵を作ってテーブルタグ内に並べたときに
月の絵が一個余ったので、おかしいなと思いつつ
「ま、いっか」ってそのままにしちゃってました。
それが「宵待月」でした(爆)。
>coplyさん
じっくり見ていくと、日本語って本当に美しいですよね~。
月の名前もそうだし、雲の名前や、色の名前も
「おおおお」ってのがたーくさんありますよねっ。
私も満月の日は、夕方チラッと雲間から見えただけでした。
でも、代りと言っては何だけど
月に浮かれた(かも知れない)タヌキが見れたからいいかな?
>リカさん
あ、なんか分かるなあ。
私も弓張月って、三日月みたいな細い月のことだと
思いこんでましたもん。
自然のものに関する美しい名称が
日本にはたくさんあるんですが、
どういう訳か、星と空に関してはとても少ないんだそうです。
でも月に関しては時代や地方によっても
もーのすごくたくさんあるんですね。
それだけ月に対する関心が高かったのかしら?
投稿: しのぶ | 2004.09.30 19:31