三陸地震大津波１

明治29年6月、東北の三陸沿岸地方は未曾有の豊漁に沸き立っていました。
リアス式海岸の入り組んだ湾内にまでマグロやカツオが押し寄せ、住民たちも処置に困るほどだったと言います。
その一方、海の潮流が乱れたり各地の井戸が枯れるなど、不気味な現象も起っていました。
15日の夜、震度2～3の微弱な地震が起きますが、その数十分後、明治三陸地震津波と呼ばれる巨大な津波が押し寄せます。
この津波によって岩手県の旧釜石町では人口6,500人中5,000人が死亡、実に75%もの人が犠牲になります。
岩手沿岸部の４郡（気仙郡、上閉伊郡、下閉伊郡、九戸郡）で、人口10万人の22%に及ぶ22,500人がこの津波の犠牲になったと言いますが、もちろん山間部に住む住民もいるため、沿岸に住むほとんどの人が死亡、または負傷したことになります。

昭和8年3月3日、岩手県沖約200kmを震源とするマグニチュード8.1の地震が襲いますが、釜石市内で大規模な火災が起きた他は、地震による直接被害はあまり多くありません。
しかし、その数十分後に来た津波は、記録では田野畑村などで高さ22mに及び、岩手県内だけでも3,000人以上の犠牲者を出しています。
この22mという記録もあくまで計測可能な場所のみの数値であり、実際には標高50mほどの高台に立つ民家が浸水した例もあり、記録だけでは計り知れないものを感じます。

どちらの地震も沿岸部近くに震源地があり、津波が起る直前に大砲のような音がしたり、稲妻のような閃光が目撃されていますが、現在でもその現象の科学的解析はされていないようです。

さて、上の２つの津波は震源地が沿岸部近くにあったため、地震の数十分後に起きています。
しかし昭和35年5月24日に起きた津波は、はるか南米チリの巨大地震によってもたらされたものです。
地震が起きた23日、日本の気象庁では地震と津波の発生を観測していましたが、まさか地球を半周も離れた地から津波が日本まで到達するとは考えられず、津波警報も発令しませんでした。
この津波は、三陸に限らず、北海道から高知県まで伝播し、全国で142名の死者・行方不明者を出しています。

「明治と昭和の三陸沖地震」
「チリ地震津波について」
「防災システム研究所・ホームページ＞津波の知識」

すいません（汗）、長くなりそうなので記事を分けます、続きは後ほど・・・。
三陸地震大津波２