神社で柏手を打つのは？

お正月は初詣に行きましたか？
私は両親と一緒に近所の神社に初詣に行って、「棚ボタの年になりますように」って祈ってきたのですが（おい）、途中で手袋を無くしてきました(涙)。
欲張りなお祈りをしたバチかしら(涙)。

さて、お寺に詣でるときは、お賽銭を入れたら手を胸の前に合わせて静かに合掌しますよね。
ついでにモソモソと呪文、じゃなかった、寺のご本尊の名前や念仏（なんまいだ～、みたいな）を唱えます。
お寺方式の拝み方は、インドなどでは人同士の挨拶でも使われます。
だからこれは、原始仏教の時代から受け継がれてきた形なんでしょうね。

一方、神社では、お賽銭を入れ、柏手をパンパンと2回打ってから合掌します。
（正式には二拝二拍手一拝ですが）
なんでお参りするときに拍手するんだろう？？

実は、柏手にも驚くほど古い由来があって、日本がまだ日本という名前じゃなかった頃、「魏志倭人伝」までさかのぼるのだそうです。
いわく「中国に挨拶に来た倭人（日本人）が、目上の人に挨拶をするときに柏手を打っていた」と。

神さまを拝むときに拍手（かしわで）をうつのはなぜですか

仏教伝来が6世紀、魏志倭人伝は2世紀ごろの記述だと言うから、どっちも恐ろしいほど昔から受け継がれている訳です。

元々、柏手は4回打つのが正式な儀礼でした。
出雲大社、伊勢神宮など古代からある神社では今でも柏手は4回です。
人や神の魂には４つの種類があると言われています。
「奇魂（くしみたま）、幸魂（さきみたま）、荒魂（あらみたま）、和魂（にぎみたま）」です。
そして、この４つの魂にそれぞれ柏手を打つと、神様がその音に感応して降りてくるのだそうです。

でも今は2回しか柏手を打たないですよね。
これは江戸期辺りの国学や神学から、人や神の魂は「魂（精神活動）」「魄（肉体）」の２つでできていると理解しなおされたのが原因のようです。
そして、明治に入って「柏手は2回」というのが正式な作法として定められました。
（なお、神式のお葬式では「忍手」と言って、音を立てずに柏手を打ちます。）

そして、古代の倭人がしたように、天から降りてきた神様という偉い人に挨拶をするのです。

ん？挨拶？
ってことは、神社で柏手を打つ行為は、お願いをするためのものではなく、「こんにちは」という挨拶なのですね。
そこで「棚ぼた！」と祈った私は、神様にとって「はぁ？」なことなのでしょうか・・・・。