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2007.02.24

ソメイヨシノ

ソメイヨシノ(染井吉野)は、江戸末期から明治初期に、染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木職人達によって、オオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせて作られた観賞用の桜です。
オオシマザクラから「大きく形の整った花」、エドヒガンから「花が葉より先に咲き揃う」という、観賞用としては非常に優れた性質を受け継いでいます。
普通、植物は同じ品種でも開花時期が全く同じということはありませんがが、ソメイヨシノはほぼ同時に開花し、満開になります。

それはソメイヨシノがたった1本の木から接ぎ木で植樹されていったからなのです。
この不自然なまでの整合性が「桜の木の下には死人が埋まっている」という噂や、「夜の満開の桜は気味が悪い」という、奇妙な感覚を生むのかも知れません。


東京、吉祥寺。井の頭公園のソメイヨシノ

たいていの植物は、同じ遺伝子同士の結合を避けるため、1本だけの木は実を結ばないという性質を持っています。
遺伝子が違うものが交配して、より強い遺伝子を残すためですね。
しかし、人工的に1本だけ作られたソメイヨシノは、交配できる他の木がないので、実をつけることができません。
たまに実がなることもありますが、それはそばにあったエドヒガンやオオシマザクラと交配してできたもので、そのタネからソメイヨシノが育つことはありません。
いまある全てのソメイヨシノが、誰かの手によって植えられたものなのです。
人が植え替え、世話をしない限り、ソメイヨシノは自分で子孫を残すことは絶対にできないのです。

つまり、全てのソメイヨシノは、同じ遺伝子を持つクローン植物ということになるのです。
世界的に見ても、これほど広範囲にクローン植物が分布している例はソメイヨシノ以外にはありません。
食用や観賞用の植物の多くは人が改良を重ねてきたものですが、他の植物と違いたった1本しか産まれなかったことに、ソメイヨシノの生物としての不幸があるんでしょうね。


さて、同じ遺伝子であることは大きな弱点も持ちます。
ソメイヨシノは、害虫や病気にとても弱く、寿命も短く、60年という説もあります。
(正確な統計がないので、実際にはもうちょっと長いのでは、という説もあるようです)
街路樹など環境の悪い場所に植えられることが多いのも、寿命を縮める要因にもなっているようです。
世話をする手間や費用がかかるため、最近はもう少し手間のかからない里桜を植える場所も増えてきたようです。


てんぐ巣病に罹った桜。
菌により起こる病気で、小枝が密生して「天狗の巣」のような形を作る。
菌に冒された部分は花をつけず、 満開の季節にはまだら模様になってしまう。
病枝を切り取らなければ、木全体に菌が回りやがて枯れてしまう。


しかし、クローンであるが故に、同時期に一斉に咲く派手さ・潔さが愛され、現在のように世界中で咲き誇るようになりました。
また、同じ個体が各地に存在することは、季節を知る手がかりにもなります。
ソメイヨシノは桜前線の開花基準にもなっており、「開花」という美しい姿でその地が春になったこと知らせるのです。

気象庁は毎年3月1日に第一回桜開花予想を発表しています。

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植物・鼻毛」カテゴリの記事

コメント

今ちょうど今年の開花予想はまだかな~って思ってたところだったんです。今年は、やっぱり早いんですかね~。随分暖冬な日本らしいですから、東京ではひょっとして3月に開花も不可能じゃない気がしてきてますが...。

投稿: endunham | 2007.02.26 07:41

>endunhamさん
あさって3月1日に、第一回の開花予想が発表されるんですけど
何が驚くって、あさってはもう3月なんですよね~。

ちなみに、去年のSHINOblogによりますと(笑)
東京では3月25日にほぼ五分咲き、そして4月4日は桜吹雪が舞っていました。
だいたい関東あたりだと、入学式に桜が咲く、という感じなんですが
ここ何年か、入学式の前に散っちゃってる気がします。
そして、岩手はほぼ一ヶ月遅れで満開、という感じでした。
毎年、岩手って桜と鯉のぼりがセットで空を舞うけど
去年は子供の日にはあらかた散ってしまってました・・・。

さて、今年はどうかなあ。
以前endunhamさんが教えてくれた亀が森の1本桜を見てみたいなあ。

投稿: しのぶ | 2007.02.27 19:46

わーい!ちょっと良い話題(?)をもって来ました!
今日やっと国立大学入試が終わったのでその報告です☆
まじめに勉強なぞして来ませんでしたが、なんだか終わるとほっとしますねぇ。
もうこんな体験一度だけで十分ですよね?いやぁ、よかった②めでたい。
とりあえず中央線沿いのあそこにある大学に桜咲かせて来たので今後の発表がどうであろうとこれからは目一杯エアーちゃんたちに愛情を注ぐことができる!
ということで、(学生の新年)今年もよろしくお願い申し上げます。

エアーたち:最近暖かったり寒かったりで彼らの移動が激しくなってませんか?あと、栄養剤の薄め方が足りなくて、一部青く(Hyponexの青色)なってしまいました、、これって大丈夫なのでしょうか?

投稿: みら | 2007.03.13 00:34

>みらさん
うわあ!この春から大学生なんですねっ!
おめでとうございます!!!!
私の大学生時代って、いったい何年前のことだったかも覚えていませんが(爆)
高校までと全く違って、まさに自主性が求められるというか
サボろうと思えばいくらでもテキトーに過ごせるし
やる気になれば、かなり高度なことも勉強できるし
とにかくこれからは自分のスタンス次第でどうにでもなる気がします。
4年制の方に進まれるのでしょうか?
とーにかく、いろんなことを経験して、学生生活をエンジョイしてくださいねっ。

で、エアーの方ですが、我が家は一時期暖かかったときでも
まだ安心はできないので、カレンダー通りに冬バージョンのままです。
つまり、水を与えるのは週に1~2回程度、栄養剤もほとんどあげず、
置いてる場所も日はあまり良くないけど室内の暖かい場所にしてます。
それで調子悪くなった様子もないので、
4月まではこのままで行こうかなと。

冬の間は栄養剤はあまりあげない方が良いみたいですね~。
夏に花を咲かせる植物とかって、冬は休眠状態なので
寝てるとこに栄養をガンガン与えると、かえって弱っちゃうって言うじゃないですか。
エアーも、どちらかと言うと日本では夏の気候の方が合っているようなので
私も彼らを夏の植物として扱っています。
栄養剤が濃くかかってしまうと、その部分だけシミになることがあるみたいですが
そこから腐って・・・というようなことはないみたいです。
もしかしたら、跡が残ってちょっと色が悪くなるかも知れませんが
枯れることはないと思うので、そのままにしとくのが一番かなあと。

投稿: しのぶ | 2007.03.14 01:20

そうなんですかー。ではいつものように「スープの云々」の距離感?でお世話しておきましょう。
エアーはほんとに放っておくと枯れるし、あまり色々ディスプレイしがいがあるからと言っていじくって(かわいがって)表面のお化粧を落としてしまってもだめなんですよね。トリコーム。名前、良いですよね。(にやっ)

大学では四年間、やりたかった英文研究に燃えたいと思っているので、多分私の毎日は英本と植物でしょう。
第二言語はスペイン語かしら?夢が広がります。

でも我が家で私の進路を応援してくれてないやつが二名程いるんです。姫リンゴと桜の木、、固い芽の先は存在しているのに。どうして葉っぱさえも出ていないのだろう?
去年も夏になってから葉っぱを出したから、今年もそれで良いのかしら?

投稿: みら | 2007.03.15 00:19

>みらさん
うちではほとんどのエアープランツは流木などに根付かせていて
持ち歩くときも流木を持つのでエアーそのものにあまり触れることはありません。
ただねえ、これだと根元がふさがるので、分裂できない気がするんですよね・・・。
分裂しない種類のものは良いとして、
イオナンタなど、大量に増殖しそうなものまで元気に根を張っているので
ここら辺は痛し痒し、ですねえ・・・。
1個だけ、直径30センチ近くなったキセログラフィカだけ根がでないので
エナメルチューブで自作した台に乗っけてるんですが
コイツがやっぱりお尻が禿げ禿げで・・・(涙)。
まあ、上から見てる分には綺麗なトリコーム(笑)なので、このままにしときます。

みらさんは英文に進まれるんですねっ。
私はよくNASAなどの英語のサイトを見ることがあるんで
意訳してくれると嬉しいなあ(笑)。
とにかく、大学はいろんな意味で楽しいところだと思います。
遊びも勉強も思いっきりやっちゃってくださいねっ。

>>どうして葉っぱさえも出ていないのだろう?

うちにも似たようなのが約1名・・・。
シクラメンがだいぶツボミが大きくなってきたんですが
咲くのはまだまだ先のような気がします。
・・・こんなんじゃ夏になっちゃうよ~。

投稿: しのぶ | 2007.03.15 22:58

うちに来てからもうだいぶ経っているはずなんですが、未だにどいつも根っこを出そうという気にはならないようで、こちらがワイヤーなどでかごを作ってやらねばならないのです。。でも少しあれから太ったようなのでまた作り直さないと。きつすぎると食い込んで葉っぱが枯れますしね。

通訳については英文科にすすんでも多分日本語が下手な分、通訳には向いてない気がする。。致命的です。英語自体にはあまり問題がないのですが、、

東京の開花宣言って靖国神社が標準にされているようですねっ!もうお花が三つ咲いたのであと二つですね。ことしは桜にみんな奔走された春になりましたね。
 「桜がなければ われわれのこころも おだやかであっただろうに」
そう歌った昔の日本人は私たちの桜への愛をうまくまとめたなとつくづくおもいます。

投稿: みら | 2007.03.17 18:00

>みらさん
エアープランツは居心地が良くても根が出なかったり
あまり大切にしなくても根を出してみたり(笑)
種類や個性によってもマチマチみたいですね。
だから、根が出なかったとしてもあまり気にしなくてよさそうです。
うちには、根ばっか伸びて肝心の葉が育ってないのもありますし(笑)。

あ、通訳ではなく翻訳の方です~。
こないだ、スペースシャトルが雹に襲われてボロボロになっちゃったじゃないですか。
今ボコボコになったブースターやオービターを補修してるらしいんだけど
その途中経過とかを読むのも、もう一苦労なんですよね~(汗)。
いちおう技術的知識のない人にも読めるような文章で書かれてるんで
そんなに難しい単語はないんですが、
ちょっとした見慣れない単語とかね・・・。

ここ数日、真冬のように寒くて、これで東京周辺の桜も
ぎゅっと締まってしまいそうです。
桜だけならまだしも、冬眠から早々に覚めちゃった虫やカエルたちは
かなり大変なことになってるんじゃないかと・・・。
今起きたって食べるものなんか何もないですしね・・・。
そして、人間様も服のチョイスがとても難しいですね。
こないだ出した春コート、また仕舞っちゃいましたよ(涙)。

投稿: しのぶ | 2007.03.18 01:37

今日祖父の見舞いに大泉まで出かけました。大泉学園駅に近い大通りは毎年桜のトンネルになっておばあちゃんのうちに行く時にはうきうきさせてくれました。
で、きょう車のウィンドウから見れば限りまだつぼみで、種類が違うのか突然四部咲きくらいのがひょっこり立ってたり。毎年大体誰も遅刻することなくばっと咲いてしまうだけに複雑な心境。きれいでしたけどねっ。

通訳にしろ翻訳にしろやっぱり国語って大事なんです。実は小学校四年生の時、算数の文章問題の点数がゼロだったのは単に”ニホンゴ”がだめだめだったせいという伝説(?)をもっています。ちなみに「カッパの河流れ」とは普通の方でも意味くらいなら知っておくべきことですか?、、軽く調べてみたけど見当たらなかったんです、、あと、「とどのつまり」の正しい使い方も。

でも専門用語は辞書の扱い方の問題ですから。英検一休用の単語帳に「魚雷」だの「戦闘機」だの書いてあってぎょっとしました。あれはちょっと変な域ですね。多分取得しなくても必要ないと思われます。

春は来ました!そして入学式の準備。スーツがからだに合わなくて色々探しまくったので疲れた。痩せねば!
人間も春は忙しい。
でも相変わらずエアーたちは太らない。わたしの皮下脂肪は増えてく。丁度期待と現実が反比例していく。でもたらの芽はおいしかった、、こんなことじゃいけないんだけど。

投稿: みら | 2007.03.20 00:57

>みらさん
あら偶然!私は日曜ですが、大泉の桜並木の下を通りましたよ~。
だいぶふっくらとはしてきたけど、花が咲くまでは
あと数日は待たされそうな感じでしたね。
あの桜たちもだいぶ歳を取ったらしく、一部は若木に植え替えられてますね。
最近はソメイヨシノだけじゃなく、他の種類の桜を混ぜて植えることも多いらしいので
早咲きしてるのはそういった種類のものなのかも知れません。

>>ちなみに「カッパの河流れ」とは普通の方でも意味くらいなら知っておくべきことですか?

うん、やっぱり「情けは人のためならず」とか「河童の川流れ」のような慣用句は
できれば正確な意味を知っておくべき言葉でしょうね~。
実際に生活で使う場面はほとんどないとしても
意味を知っていると、ちょっとした時に重宝することがあります。
こういった慣用句を覚えておけば、ボキャブラリも豊富になるし
やはり、若い人がこういう言葉を知っていると「お?」って感じで
見直されることもあります(笑)。
「普段は使わないだろうから」と覚えないでいるよりは
「ついでだから」と覚えておくと、いつか必ず役に立っちゃったりするんですよね。
「知る」ことは、生活に役立つだけじゃなく
自分という存在に深みを与えるものでもありますし。
もちろん、本当に覚えなきゃいけないものは山ほどあるけど
その合間に雑学的にやっておくのも楽しいものですよ。

今年の春は、みらさんにとって大きな飛躍の春ですね。
ほんとうに心から、楽しい学生生活でありますよう、祈っています。
大学の友達は、目指すものが似てるせいか、必ず一生の友達になりますよ。

投稿: しのぶ | 2007.03.20 10:21

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