植物が枯れるのはあなたのせいじゃない
植物についての記事を書くと、良くこんなコメントをいただきます。
「すぐに枯らしてしまうから私には育てるのは無理」
「手入れが面倒だから育てたくない」
確かに、温室など特殊な環境で育てなくてはならないものや、人間の手で品種改良された植物を育てるのはとても大変なことだと思います。
だけど、大方の植物は手入れがとても簡単なんですよ。
風通しの良い場所に置いて、表面の土が乾いたら水をたっぷりあげるだけで良いんです。
水を与えるのはあくまで表面の土が乾いてから。
鉢植えを枯らす原因でとても多いのは、水をやりすぎたことによる根腐れなんだそうです。
陽の光が好きな植物ならガンガン日光にあてて、直射日光の苦手な植物なら窓際などレースのカーテンごしに置いてあげれば、肥料なんかあげなくたって勝手に育スクスクってくれちゃいます(笑)。
それでも、どうしても枯らしてしまう、という場合・・・。
それはもしかしたら、あなたのせいではありません。
地球に初めて植物というものが発生したのは、今から35億年ほど前。
植物たちは、それまで大気にほどんど存在しなかった「酸素」という強力な酸化剤を大量にまき散らし、激しい環境破壊を起こして多くの微生物を絶滅させました。
植物は動物がこの世に登場するずっとずっと前から地上を覆い尽くし、現代まで地球に君臨してきたのです。
水と日光さえあれば自分で栄養を作り、他の植物さえも駆逐し、貪欲に領地を広げてきたんですね。
人が手入れしなくなった建物などがあっという間に植物に覆い尽くされて廃墟になっていくのを、私たちは各地で見ることができます。
アンコールワットやインカの遺跡も、発見された当時はジャングルに包まれて見るも無惨な姿でした。
案外植物は、他のどの生物よりも冷酷非情な侵略者なのかも知れません。
その辺に自生してる植物も、人間の世話なんか受けなくても夏になればボーボーに育ちまくるし、季節がやってくれば花を咲かせ実をつけ、次の世代に遺伝子を残します。
美しい花やおいしい果実で動物や虫を惑わして種や花粉の運搬役をさせ、その死骸さえも栄養にするのです。
タネの状態になれば、水不足が何年続いてもまた復活することができます。
遺跡や古い寺院から発見された数百年前の植物の種が花を咲かせた、なんてのも良く聞く話ですよね。
これほど強く、歴史の長い植物です。
人間ごとき(笑)が少々乱暴に扱ってもそう簡単にへこたれるタマではありません。
ただし、人間が鑑賞用・食用に品種改良したり、自生していた環境と大きく違う場所に連れてこられたり、ごく少量の土だけで鉢に植え替えられたりすると、ある程度人が手をかけてやらなければ生きていくことができません。
そして残念なことに、多くの観葉植物は、生産や流通の段階でコストを下げるために、不適切な管理をされてることがとても多いんです。
植物が大きくなるにはそれなりの時間が必要です。
しかし、多くの鉢植えの場合、早く売り物になるよう高温多湿の温室などで育て、見栄えが良くなるよう半ば強引に枝葉を成形し、人為的に花を咲かせる場合もあります。
それでもある程度の時間をかけて通常の環境に慣らしていけば良いのですが、生産コストの関係でなかなかそこまで手間をかけられないのが現状のようです。
よほどの炎天下でなければ、植物は1週間くらい放置されても、水を与えればすぐ元気になります。
だから「それほど放置してた訳でもないのに1~2週間で枯れちゃった」という場合、枯れる原因が買う前にあったと考えて良いです。
強引にドーピングされた植物たちは、私たちが買った時には限界に来てることが多く、そういった植物はもう何をしても手遅れなことが多いのです。
もちろん、そんな植物でも丁寧に手入れしてやったり、個体の体力が勝っていれば元気に育つこともあります。
最初のうちは、肥料は与えず水を少なめに、2~3週間ほど環境に慣らしてから鉢などに植え付けるのが良さそうです。
あと、鉢に入れる土は庭や畑のものは使わず(雑菌や害虫が混入することが多いので)、ガーデンショップで買った方が良いみたい。
せっかくもらった植物です、大切に育ててあげましょう>私
と言うわけで(笑)、スバルから郵送(!)されてきた販促品のコニファー。
この弱々しさがすでにヤバげです・・・・。
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