美しい国づくりに関する世論調査
今年5月に内閣府が実施した「美しい国づくりに関する特別世論調査」の概要が発表されていました。
調査対象は全国20歳以上の3000人(うち、有効回収数1827人)で、調査員による個別面接聴取によって得られたものだそうです。
美しい国づくりに関する特別世論調査(平成19年5月調査)注:PDFファイルです
間に私の感想というか、考えもちょこっと書いてみました(青い文字の部分)。
みなさんはどう感じるでしょうか?
#1.現在の日本を美しいと思うか
1.美しい:10.6%
2.どちらかというと美しい:42.7%
3.どちらともいえない:31.8%
4.わからない:11.2%
5.どちらかというと美しくない:3.1%
6.美しくない:0.7%
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例えば他の国と比較した場合、日本はとても美しい国だと思います。
人々はみんな優しく清潔で礼儀正しい。
集団になると少しおかしくなることもあるけど(笑)、海外に行ったり、あるいはメディアを通して海外の情報を見聞きすると、やっぱり日本は世界屈指の美しい国だなあと。
#2.日本の美しさとは何か(複数回答)
自然(山・森・海、四季のある自然など) | ![]() |
匠の技(伝統工芸・・町工場の技術など) | ![]() |
景観(田園・里山の風景、瓦屋根のある町並みなど) | ![]() |
伝統文化(能、歌舞伎、日本舞踊、祭、相撲など) | ![]() |
気質・感性(謙譲の美徳、礼儀正しさ、勤勉など) | ![]() |
食文化(寿司、精進料理など) | ![]() |
行動様式(立ち居振る舞い、日本的生活など) | ![]() |
日本語(敬語・方言・大和ことばなど) | ![]() |
先端技術(省エネルギー技術、携帯電話の技術など) | ![]() |
若者文化(ポップカルチャー、漫画、ファッションなど) | ![]() |
その他 | ![]() |
特にない | ![]() |
わからない | ![]() |
自然の多い景観は美しいけど、その代わり、自然災害がとても多い国でもありますね。
看板やネオンで厚化粧した繁華街も、超高層ビルが林立するオフィス街も、あふれるようなエネルギーを感じてけっこう好きなんですよね。
省エネとか環境問題に関しては日本はかなり進んでると聞きますが、先端技術に関しては最近はよその国に押され気味じゃないかな?
#3.美しい国であるために見つめなおすべきもの
1.失われつつあるが途絶えさせてはいけないもの:49.1%
2.かつては美しかったが美しくなくなってしまったもの:31.1%
3.実はその美しさにまだ気づいていないもの:11.3%
4.これから創り上げるべき美しいもの:4.7%
5.その他:0.7%
6.わからない:3.1%
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これはねえ、何とも言いにくいというか、例えば自然の多い景観とか古い町並みとかを維持していくのってものすごく大変なことなんですよね。
「自然が多い=人間が生活しにくい」という図式もあるので、どちらかと言うと都会と言える場所に住んでいる私には「生活を切り詰めてまで、自然や古い民家を守れ」とは言えずにいます。
#4.重要と思う美しい国の姿
1.文化、伝統、自然、歴史を大切にする国:47.5%
2.自由な社会を基本とし、規律を知る、凛とした国:22.6%
3.未来へ向かって成長するエネルギーを持ち続ける国:10.2%
4.世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国:16.7%
5.わからない:3.1%
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うーん、良く分からない。
・・・では、あまりにも、なんで(笑)、私は「4.」かな。
「伝統や歴史を大切にする」ことと「未来へ向かって成長する」ことを両立させるってかなり難しくないですか?
日本はかつて、それまで培ってきた伝統や歴史を全て斬り捨てて、西洋化に邁進しました。
それが良かったのか悪かったのか、少なくとも今の日本ではたいていの人が「今日死ぬかも」「明日食べるものがない」という心配をしなくても生きていけるってのはすごいことだと思います。
今回あげた項目以外にも
・美しい国づくりに向けて大切だと思う行動
・美しい国づくりについて関心を持つ企画
などの設問がありました。
興味があったら(PDFなのがアレですが)覗いてみてくださいねっ。
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コメント
色つきのバーグラフとか表とかどうやって載せるんだろ??とまずそっちに興味がいってしまった(笑)
美しい国って言葉はいいけど、実際は美しくなったのか(何が美しくなったのか)、あんまり実感ないなあ。
今日は出先で知事選の候補者がなんかしゃべってたので歩きながら聞いてみたけど、精神論と投票を頼む言葉が95%で、自分が知事になったらこれをやるあれをやる、という話が聞けなかった。とりあえずこの人には入れることはあるまい、と思ったよ。
政治公約は分かりやすく具体的なものでないとね。東京を目指した弾道ミサイルは見過ごしたりせず絶対我が県が落として見せます、とか(それちょっと違・・)
投稿: 三尉 | 2007.07.14 17:26
海を渡ったことがあるのは、いまだかつて北海道と沖縄と四国くらいしかないんですけど… って、違いますね、それはね(汗)
>「伝統や歴史を大切にする」ことと「未来へ向かって成長する」ことを両立させるってかなり難しくないですか?
ありますよね、それ。この間「新聞と現代日本語」っていう本を読んだんですけど、似たようなことが書いてありました。
終戦後、外国に追いつけ追い越せと頑張る過程で、スピーディーに情報をやり取りしなくちゃいけないってことで、難解な字とか漢字の異字体もかなり整理されちゃったんですね。でも、その文字でないと表せない文化的なものとかありますもんね。
文化を取るのか、利便性を取るのか…。こういうのって、どこら辺で折り合いをつけるか、になってくるのかなぁ (^^;
投稿: sumi | 2007.07.14 17:31
とても興味深いですねー。
>>「伝統や歴史を大切にする」ことと「未来へ向かって成長する」ことを両立させるってかなり難しくないですか?
これ、私もわかります。sumiさんも触れてますが、例えば最近のIT技術の進歩によって横文字が日本語に氾濫していますよね。あまりに氾濫し過ぎると、伝統的な日本語が壊されてします。若者も日本語を正しく使えなくなってしまう。どのようにバランスをとるかがポイントなのでしょうね。最近私が気になるのは、やはり日本人の横文字の乱用ですね。何もそこを横文字にしなくったってと思う時があります。でも、同時にそれも戦後に出来た日本の形であって、仕方無いのかなとも思います。
投稿: endunham | 2007.07.14 23:14
こんにちは。
美しい国づくりを叫んでいるおっさんが、14日の夕方に愛知県N市駅前にて遊説する予定だったけど、強行採決するなど日頃の行ないがいいので、台風で大雨でした。
その場所に行っていないので、遊説したのかどの位の人出があったのかは知りません。
郵政民営化を叫んでいたおっさんが、愛知県N市駅前で遊説した時は晴れて、ものすごい人出でした。
やはり、日頃の行ないは大切ですね。
投稿: mi84ta | 2007.07.14 23:56
>三尉
色つきグラフは1px幅の四角の幅を指定して拡大してるんだよ。
日本人がおっとりし過ぎなのか、大陸の人たちが熱血なのか、
時々「その考えについていけない」という場面が良くあるよね。
「気にくわないヤツはぶっ殺せ」的な方向に行っちゃうとか、
他人を蹴落としてものし上がろうとするバイタリティとか。
時々「実は日本人には資本主義や民主主義って合わないんじゃないか」
と思ってしまうことがあるよ。
みんな同じじゃなきゃダメ、みたいなとこがすっごくあるし
全体としての統一性みたいのを日本人は得意とするのかなあ。
ホリエもんにしても、ムネオくんにしても
もっと昔ならカクエイさんとかカネマルさんとか
ちょっと目立ったことをすると、周りがよってたかってボコるしね(笑)。
かと言って政治や企業で理不尽なことがあっても、
一般民衆の中から暴動が起きる訳でもなく
なんとなくブツブツ言ってみるだけで結局は大人しく受け入れてたりするじゃんか。
案外、日本人はものすごく優秀なトップが独裁してる方が
気持ち良いんじゃないかと。
そんな長い前置きでしたが(笑)、日本を美しくするためには、
きっと、政治家や大企業だけが努力するのではなく、
私たちのような一般国民もがんばらなアカンと思うのよね。
国がやってくれる、やってくれない、ではなく
個人個人が何をできるか、何をするかってのが大きいんじゃないかと。
まあ「そのために税金払ってんじゃないか」という考えも
アリと言えばアリなんだけど(笑)。
余談ですが、私が立候補者のみなさんの演説とかを聞いて
「ああ、コイツには入れねえ」と思うのは
対立候補の悪口しか言わない人ね。
>sumiさん
っか~~っ、私は北海道も沖縄も四国も行ったことありません~(涙)。
うん、「言葉」ってのも難しいですね~。
私の感覚では「言葉」というのはDNAを持つ生物と同じだと思ってるんです。
つまり、常に自然淘汰を繰り返すものだと。
時代の流れについてこれない言葉は絶滅するだろうし
他の言語との混血も生まれるだろうし
突然変異のように新しい言葉も出てくるんだろうなと。
過去の言葉も決して死に絶えた訳ではなく、
現代言葉のDNAの中に組み込まれてるのかなと考えると
それはそれで興味深いことではありますね~。
そうそう、お茶の教室でも「自然を感じましょう」とか言って
夏でもエアコンをつけないでガンガン炭をたく時があるんですが
そういう稽古の後でエアコンの効いた部屋に戻ると
「ああ、文明ってすばらしい。」と実感できます(笑)。
>endunhamさん
「言葉」についての私の考察はsumiさんへのコメントでも書いたのですが
やはり、時代の流れで変化していくのは仕方ないのかなと私も思いますね~。
ある生物学者がこんなことを言っていました。
「生物以外で、世代を超えて遺伝するのは知識である」
知識や言葉は後世に伝えられる遺伝子のようなもので
伝えられる間に、伝言ゲームのように少しずつ形を変えていくことで進化していくのだと。
まあ、時には退化することもあるんでしょうけど
いずれにしても変わっていくことを誰も止めることはできないでしょうね・・・。
きっと「伝統や歴史を大切にする」というのは
頑なに古い生活のままで生きていく、ということではなく
伝統や歴史から有用なものを学び取り、現代に活かしていくってことなのかなあ。
うーん、なんだかまとまりがなくなってきました(笑)。
>mi84taさん
「美しい国づくり」おじさん(笑)、もうなんだか気の毒になってきちゃいました(笑)。
「自民党をぶっこわす」おじさんの時と比べて
なんとまあ、絵に描いたような運の悪いことばかり続くのか。
年金にしても、諸大臣のあれやこれやにしても
みんな昨日今日始まったことじゃないのに
このおじさんになったとたん、ブワーッと大発覚、ですもんねえ。
よっぽど誰か(しかも複数)に嫌われてるのか、
なんだかそんな余計なことまで考えちゃいましたよ~。
投稿: しのぶ | 2007.07.15 02:58
今日は東京では大したことなかった台風の影響で
目にするはずだった街頭演説が中止になったりして(!?)
大人しく自宅待機しておりました。
明日はお洗濯から何から頑張りたいと思います!?。
「美しい国作り」を提唱した安倍首相が自民党総裁候補に上がった時、
…異常とも言える小泉人気の後では、反動的に人気も急落し
問題も噴出して、短命に終わる可能性もあるから… と
擁立を危惧する声もあったんですけど、
今になってみるとその嫌な予感がズバリ的中してしまっている感が
ありますよね……。
また小泉前首相に比べるとお坊ちゃん育ちが全面に押し出されてるし、
プラスイメージは少ないし、政治の世界ではまだまだ若いし……、と
貧乏くじ引いてるような感じを持っている国民も多い気がします。
(…小泉さんの後は誰が首相になっても同じだったかもしれないけど…)
それだけに参院選で惨敗すると、本当に短命内閣で
終わってしまう可能性があるので、少しは踏ん張って欲しい~!!。
(…って…、私は自民党贔屓では全くなく、人物本位ですが (
*^_^*) )
>「伝統や歴史を大切にする」ことと「未来へ向かって成長する」ことを
>両立させるってかなり難しくないですか?
歌舞伎座が遊び場だったという祖母の影響で
記憶にさえない3~4歳の頃から歌舞伎座に連れて行かれていたお蔭で
歌舞伎とは既にウン十年以上のお付き合いをしていると
伝統芸能などは伝統や歴史を大切にしながらも
未来に向かって行かなければ生き延びることは出来ないんじゃないか…と
いうことをよく感じます。
脳梗塞で今は舞台から遠のいていらっしゃる猿之助さんが
スーパー歌舞伎を立ち上げた時、内外を問わず多くの批判がありました。
その声に対して猿之助さんは、
「歌舞伎は伝統の中にだけあったも存続できない。
江戸時代の歌舞伎は異端児。最先端モードだった。
最先端として未来に向かっていたから現代まで続いた歌舞伎も
400年経って伝統と呼ばれるようになったけれど
そこから明日に向けた新しい何かを生み出し
常に最先端である部分がなければこれで廃れる」と反論しました。
この精神は猿之助さんに限らず、当代の人気歌舞伎役者なら
誰もが抱いている思いの一端ではないかと思います。
私が中学生から追っかけを始めて数十年以上経つ大ファン・玉三郎さんも
歌舞伎の枠にとらわれない活動をして
伝統の中から新しい何かを次世代に向かって創造しようとされていますし、
歌舞伎界一の人気者・勘三郎さんの18代襲名披露公演の
最後を飾った野田秀樹さん演出の『野田版研辰(とぎたつ)の討たれ』は
今までにない新しい歌舞伎の在り方として大絶賛を浴び
勘三郎さんの人気を益々、不動のものとしました。
言語に限らず、風景に限らず、建築物に限らず、文化・芸術に限らず、
その時代に生きる人の感性や観念が変化していく限り、
伝統尊重と未来に向かう創造性が共生していかなければ
次代に残せるものはないだろうと私は思います。
外国語が乱用される現代の日本語も100年経ったら
ましてや300年400年経ったら立派な伝統ですものね~!?。
その今の日本語をどうして行くかってことが一番大事になるんですよね。
そのことを思うと、伝統を重んじる気持ちと
最先端に向かう気持ちを両方有することは
やっぱり必要不可欠なことじゃないか… と思うんですけど……。
それで同じ質問項目にこの二つが並んでいるのではないのかしら??。
茶道のお稽古に励まれるしのぶさんも
現代やこれからにおけるお茶の在り方を鑑みた時、
そんな風に思われることはありませんか?。
(私がよく心に抱く感慨なので、つい長々と書き込んでしまいました。
失礼を致しました~m(__)m )
投稿: ナーコ | 2007.07.16 00:06
>ナーコさん
一国の首長ってのは、政治手腕よりはカリスマ性が求められますよね。
「それは無理だろう」というようなことでも、
自信満々な顔で「大丈夫!できます!」とか断言されると
そ、そうかなあ、そうかも・・・って思っちゃったりするじゃないですか。
そういう人を惹きつける強い魅力が、今の彼(笑)にはないのかなあと。
優秀な側近に恵まれなかったのも彼の不幸でしょうね・・・。
これだけ不祥事が続いてるのに野党が不信任案を叩きつけないのも
あまりの気の毒さに同情してるみたいで
見てるこっちもますます気の毒になってきちゃいます。
歌舞伎や能、茶道など、誰でも知っているものや
大規模な保存会・後援会がバックにある芸能・芸術は
きっとこれからも大切にされていくのでしょう。
そういった「国から認知された」伝統の影で
小さな山里で人知れず途絶えていく伝統がたくさんあるんですよね。
パンダやラッコはあんなに大切にされているけど、
知らないところで今もどんどん他の生物が絶滅していくように。
おそらく、こうした無数の、無名で無益な伝統は
現代生活の中で「不必要」と判断され自然淘汰されていくのでしょう。
私も、数年前まで催されていた民俗芸能が
最後の舞い手が亡くなってついに途絶えた、という話をたくさん聞きました。
茶道を楽しんでおきながらこんなこと言うのもアレなんですが
茶道は完全なカルチャービジネスとして確立されています。
もちろん、それを「悪いこと」と言うつもりは全くなくて
徹底的なライセンス方式を採用することで
現代でも上手に生き残る方法を探し出しました。
この戦略、良い悪いは別として「うまい方法だな」と感心しています。
言葉や知識・伝統は、教育という形で後世に遺伝していきます。
そうした歴史の過程で、強いものが生き残り、弱い者は死に絶える・・・
それはもう誰にも止められないのかも知れませんね。
・・・私もついつい、まとまらないまま長いこと書いてしまいました(笑)。
投稿: しのぶ | 2007.07.16 15:16