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2009.02.07

山口文象と長谷川逸子

すいません、今回は久しぶりにチョー長文(笑)。

前回の記事で予告(笑)したとおり、今回は林芙美子記念館の紹介です。
両親が何気なく話したこの小さな記念館のパンフを見て、「林芙美子って誰」くらいの知識しかないまま(汗)ソッコウで見学に行きました。

いやもう、見てびっくり!今となっては滅多にお目にかかれない本格的な数寄屋造りの住宅でした。
この建物を設計したのは昭和モダニズムの代表、山口 文象(やまぐちぶんぞう)という建築家です。
建築の教科書では、山口文象の名は黒部川第2発電所(社団法人 日本土木工業協会より)と共に紹介されるので、なんだか土木系の人のように見えますが(笑)、純日本建築の名手でもありました。
中でも、この林芙美子邸は本気で見事です。
(とか言ってる私が今まで気づかなかった訳ですが・・・)。

早春の日だまりに佇む数寄屋の家。
ここに立っているだけで「日本人で良かった」と思えます。

敷地には「生活棟」「アトリエ棟」「石蔵」の3つの建物があり、こちらは生活棟。

生活棟の中心にある茶の間。
六畳とそれほど広くはないですが、三方を廊下に囲まれ広々した印象を受けます。
照明器具も山口文象がデザインしたのでしょうか。

船底天井(拝み天井)には矢羽根編(やばねあみ)の「ヘギ板網代天井」が使われています。
これは数寄屋造りにかかせない意匠です。

アトリエ棟にある寝室と書斎のある建物。
こういう純日本家屋は冬が似合いますね。
花がありすぎてもいけない、緑が多すぎてもいけない、枯れた中にひっそり立つ様が美しいと思うのです。
てかね、緑が多い季節は建物が木の葉に隠れちゃって良く見えないのね(笑)。

前の記事で紹介した梅の木のあったアトリエ。
これは北から見たところです。
「さすが!」と思ったんですが、アトリエの窓はこんな風に必ず北向きに作るんです。
窓を北向きにすることで直射日光が室内に入らず、時間によってモチーフ影の向きが変わらないのです。

玄関脇の小さな庭。
上がり框に座るとちょうど良い位置に古い石臼を利用した敷石が。


さて、話変わって。
名建築というのは、初見で「うわ!」と思わせるパワーがあります。
「なあんとなく何が違うのか分からないけど、なんとなく気になる建物だな」と思ったら、それはきっと著名な建築家やデザイナーが関与しています。

ここに来たときに気になっていたのがこの建物です。
林芙美子記念館の裏庭から覗く、異様なほど白く美しいコンクリート打ち放しの住宅。
記念館の古式ゆかしい純日本風の建物とは対照的な、極度なほどのモダニズム建築です。
新旧の対比がすばらしく、どちらも引けを取ることなく、どちらを殺すこともなく、むしろ見事なまでに調和していました。

まだ入居が始まっていない集合住宅のようですが、これはもう明らかに、聞いたこともないような(こらっ)デザイナーズマンションとは違うノーブルなたたずまいですよ。
あんまり情熱をこめて見つめすぎたせいか(笑)管理人ぽい人が警戒心まる出しでこちらを見ていたので、あまりちゃんと写真を撮れず・・。

たぶん、かなり著名な、あるいは新鋭の建築家が関与してるんだろうなと、こっそり建物名を覚えてきました。
そして発見!!
私の鑑定(笑)通り、著名も著名、日本を代表する建築家の設計であることが分かりました。
court decor yonnosaka

槇文彦が審査院長を務めるコンペティション(設計競技)によって、11人の建築家から選出された長谷川逸子(はせがわいつこ)による作品だそうです。
もう、これだけで建築が分かる人には「なにそれ!どんだけ~~!」となりそうですが(笑)、他の10人が誰だったのかも気になるところ。
あー、この建物ね、そのうち何らかの建築賞を受賞すると思いますよ、マジで。
それほど美しい建物でした。
そして価格も超一級!最多価格帯が1億円ですよ、それでも1000万くらい値下げしたそうですよ、あはははは・・・・。
この辺りは超豪邸がウヨウヨ建ってるので、その中ではお買い得物件なのかも知れませんよ、あはははは・・・。


参考:
長谷川逸子
長谷川逸子 - Wikipedia
山口文象が近代建築を代表するなら、長谷川逸子は現代建築を代表しましょう。
長谷川先生はかなり初期からCADを使った設計やプレゼンを始めていて、私もこの人のCAD作品集を持ってるんですが(多分まだ80年代)、今見ると笑ってしまうくらいシンプルな線の集まりでしかないのだけど、当時はそれでもかなり画期的だったのを覚えています。

槇文彦(まきふみひこ
槇文彦 - Wikipedia
槇先生はもうイッちゃってるからいいや(笑)。
有名どころでは、幕張メッセや東京体育館などの一連のカブトガニものと、青山のスパイラル、そして今一番分かりやすいのは、ニューヨークのWTC跡地に建設予定の5棟の高層ビルのうち「タワー4」と呼ばれるオフィスビルでしょうか。

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コメント

新旧対比のマッチングって割と好きな感じです。
ちょっと見てみたいかも。
そして、しのぶさんの様な鑑定眼力を養ってみたい気分に…(笑)
それにしても、1億円っすか。。。ぅぁー。
専有面積にもよるでしょうけど、都心でちょっとよさげな物件の1億円越えは珍しくないみたいですねぇ・・・不景気とか言ってるくせにねぇ。。。
そういや、こないだ見たマンションは3億5千万でしたよ。
一体どんなヤツが買うんだか・・・きっと悪いコトしてるヤツに違いない(をいw
ところで、林芙美子記念館へのリンクが飛べない気がしますぅ。

投稿: 檬花 | 2009.02.08 01:14

しのぶさん こんにちは.
庭に石臼が埋まっているのはどうしてなんでしょうか?

投稿: TAMO | 2009.02.08 19:05

>檬花さん
お、分かってくれて嬉しい~!
古いものを大切に守るのも良いけど、新しいものにも良さがあるんですよね。
お互いを食い合うんじゃなくて、引き立て合うようにできたら最高ですよねっ。
マコトちゃんハウスは確かにちょっとうるさい感じかも知れないけど(笑)
この集合住宅は、自分から激しく主張するタイプではないので
とても気持ち良く見てられるんですよ。
そういうところが、才能ある人の作るモノなのかなあと。

ところで、この集合住宅、1戸の面積はだいたい100平方m超ってとこみたい。
新宿区という立地を考えたら、確かにお買い得なのかも知れませんな・・・。
いろいろマンションを見て回ってたとき、担当してくれた不動産屋の営業さんが
「もうね、23区の不動産はキチ●イ沙汰ですよ」って言ってました(大汗)。
今はだいぶ落ち着いてきたようだけど
それでもまだ普通に3億4億って言ってるんですねえ。


>TAMOさん
石臼を使う一番の理由は「リサイクル」です。
石臼って実は消耗品で、ずっと使ってるとすり減ってきちゃうんですね。
古くなったから捨てる、のではなく、庭石に利用したり
手水(ちょうず)にしたり、いろんな再利用法があるみたいです。
あと、石臼を軒先に埋めておくと、家の中に入ろうとする災いをすりつぶしてくれる、
なんて話も聞いたことがありますが、本当かどうか定かではありません(笑)。

石臼の他にも、割れてしまった瓦や陶磁器なんかが
アクセントとして土壁に埋め込まれてたり、
縁石として使われたりもしてますね~。
古いお寺や、ちょっと格式のある家の庭園を注意して見てみると
いろんなものがリサイクルされてるのを発見できますよ~。

投稿: しのぶ | 2009.02.08 21:18

2枚目の雰囲気すてきですね♪ (´ー`*)。・:*:・
窓を作る方向もきちんと計算されているものなんだ。庭の石臼もいい表情をしてますよね~。こういう建物で仕事したり生活したりするのってどんな感じなんだろう。

で、そのそばに住む人は1億円…! びっくりです~ (@@;
しかもこの白い家、「住宅」じゃなくて「住宅作品」なんですね(汗)

投稿: sumi | 2009.02.09 10:42

>sumiさん
私もこういう建物で育ってたら、恐竜とか戦闘機なんてもんに興味を持たず
性格ももっと穏やかになってたかしら(爆)。
日本家屋を改めて観ると、これほど自然や四季を大切にしてる建物って
世界でもあまり類を見ない気がしちゃいます。
住む人にとって使い勝手よく作られてるのは当然だけど
そんな中でも季節や周囲の環境も上手にとけこませて
ちゃんと四季の移ろいも楽しめるようになっている・・・。
もちろんそれは、日本の気候が比較的穏やかなせいもあるんだろうけど
ヨーロッパやアメリカあたりの住宅は、
自然の厳しさから人を守る要塞のような作りなんですよ。
まあ、そう言ってる私が鉄筋コンクリートの
密閉性バツグンの家に住んでいて、その便利さを享受してる訳ですが(汗)
それでもやっぱり、こういう純日本家屋には憧れますね~。

>>で、そのそばに住む人は1億円…! びっくりです~ (@@;

それでもねえ、この辺ではきっと「なんて安い家だ」と
周囲から言われてる気がしますよ(汗)。
だって、近所にはこの林芙美子記念館より広くて立派そうな家がウヨウヨ・・・(大汗)。

投稿: しのぶ | 2009.02.10 23:39

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