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2009.02.24

「T.R.Y.」井上 尚登

前回の伊坂幸太郎:「陽気なギャングが地球を回す」に続き、またもやクライムノベル(犯罪小説)ですが。
これはもう最高に面白い!!!
ブックオフの100円コーナーでもよく見かけるからかなりメジャーな作品なんでしょう、第19回横溝正史賞受賞作品です。

織田裕二主演で映画になったようですが、観てません、てか、小説の帯に書いてあって初めて知った(笑)。


20世紀初頭、上海の刑務所に服役中の日本人詐欺師「伊沢修」は、暗殺者に殺されそうになるが、革命家の中国人「関」に助けられ、ある計画への協力を要請された。
「我々の革命のための武器を、日本陸軍からだまし取ってほしい」
暗殺者から身を守ることを交換条件としてこの企てに加担した伊沢は、刑務所を抜け出し、執拗な暗殺者の追走を受けつつ、関たちとともに壮大な計画を進めていく。


登場人物ひとりひとりの個性がとても魅力的で、ものすごーく胡散臭い(笑)。
そしてとにかくスピーディで、一気に読んでしまいますよ。
詐欺ものにありがちな「大どんでん返し」がしつこいくらい、これでもかって感じで次々押し寄せてきて、読んでる方も目が回ってきます(笑)。
第一次大戦から第二次大戦までの極東アジアの歴史背景を知ってるとより楽しめますが、そんな小難しいことなんか全然知らなくったって充分面白い!

これは本気でチョーーーお薦めですよ!

ただねえ、井上尚登という人はあまり作品を出してないのでしょうか、他のも読んでみたいのだけどなかなか見つからないんですよね・・・。

井上 尚登:「T.R.Y.」

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コメント

福井晴敏と鳴海章を好み、高島哲夫はなっとらん全然ダメだと思ったワタクシにもオススメ?

投稿: 三尉 | 2009.02.24 14:55

>三尉
「なんちゃらイーグル」だったっけ?(読んだくせにタイトルも忘れてるという・・・)
こないだテレビで映画やってたね~。

「TRY」は実在の軍人や政治家が出てはくるけど
(司馬の「坂の上の雲」と時代が重なってるので、同じ人が出てくる)
軍事関係の知識は特に必要ないというか、
そっちよりは、日本近代史の知識があった方が楽しめるんじゃないかしら。
とは言っても「より楽しめる」というだけで、全く知識がなくても充分オッケーです。

映画スティングもそうだったけど「詐欺もの」って
要所要所で大笑いしちゃう部分もあるでしょ。
「志村!うしろうしろ!!!」ってドキドキしたり
「そんなんで騙されないだろー、と思ったらやっぱり騙されなかった(笑)」みたいな
そして読んでる方も何度も騙されるという「コンゲーム小説」の王道を行ってると思った。

コンゲームものとしては真保裕一の「奪取」があるけど
私は「TRY」の方が数段面白かったよ。

ブックオフが近所にあったら100円コーナーに行ってみるべし。
きっと数冊あると思う(笑)。

投稿: しのぶ | 2009.02.25 01:01

へえ、コンゲームの部類なのか。
ならこちらからはJ・アーチャーの「100万ドルを取り返せ!」をオヌヌメ。これも100円コーナーに絶対ある。ウィキにも情報があるよん。読後感が最高に爽快。

投稿: 三尉 | 2009.02.25 09:34

>三尉
おおう!「100万ドルを取り返せ!」を面白いと思ったなら
この小説もきっとオッケーだよ!!
「100万ドルを取り返せ!」もちょっぴり調子良すぎるとこがあって(笑)
完璧を求める人にはご都合主義が許せない部分もあるんだろうけど
それを逆に楽しめるのならいいかも知んない~。

投稿: しのぶ | 2009.02.25 20:51

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