カテゴリー「書籍・雑誌」の3件の記事

2009.03.09

SUE スー 史上最大のティラノサウルス発掘:ピーター・ラーソン

ええと、これは実はまだ買ってないのです(笑)。
なので今回は書評というより、家族に「買って買って買って~~~」とお願いする記事となります(笑)。

もうあれから4年近く経つんですが、2005年に上野の国立科学博物館で開催された恐竜博2005。
SHINOblog: 恐竜博2005行ってきたよでも鼻息荒く紹介していましたが(笑)、このときのメイン展示品がティラノサウルスのスーでした。

この書籍はSHINOblog: スーに会えるでも紹介した、1990年に発見されたティラノサウルスの全身骨格の話です。
ティラノサウルスとしては最大の、しかも初めて完全な骨格が発掘された最初のティラノサウルスなのです。
それ以前のティラノサウルスはほとんどが他の肉食恐竜の骨格からの想像で形作られており、スーの発見によってティラノサウルスの研究は一気に加速すると期待されたのでした。

ところが、発見責任者で著者のピーター・ラーソンは、スーの所有権を主張する地主と国によって告訴され、ついにはFBIと軍隊によって骨格を押収されてしまうという大事件に発展するのです。
最終的に、化石としては破格の10億円で落札され、シカゴ・フィールド自然史博物館に展示保管されることになりました。
現在では化石がオークションにかけられるのはそう珍しいことではないけれど、10年以上前はかなり衝撃的な出来事でした。

この書籍は、発掘から裁判、オークションにかけられ博物館に展示されるまでの経緯と、その後のスーの研究について書かれた書籍だそうです。
3,570円ということで、ちょっぴりお高いですが(しかもそうとう分厚いっぽい)やっぱし恐竜フレークとしてはおさえておかなきゃアカンでしょ(笑)。

ピーター・ラーソン「SUE スー 史上最大のティラノサウルス発掘」

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2009.02.24

「T.R.Y.」井上 尚登

前回の伊坂幸太郎:「陽気なギャングが地球を回す」に続き、またもやクライムノベル(犯罪小説)ですが。
これはもう最高に面白い!!!
ブックオフの100円コーナーでもよく見かけるからかなりメジャーな作品なんでしょう、第19回横溝正史賞受賞作品です。

織田裕二主演で映画になったようですが、観てません、てか、小説の帯に書いてあって初めて知った(笑)。


20世紀初頭、上海の刑務所に服役中の日本人詐欺師「伊沢修」は、暗殺者に殺されそうになるが、革命家の中国人「関」に助けられ、ある計画への協力を要請された。
「我々の革命のための武器を、日本陸軍からだまし取ってほしい」
暗殺者から身を守ることを交換条件としてこの企てに加担した伊沢は、刑務所を抜け出し、執拗な暗殺者の追走を受けつつ、関たちとともに壮大な計画を進めていく。


登場人物ひとりひとりの個性がとても魅力的で、ものすごーく胡散臭い(笑)。
そしてとにかくスピーディで、一気に読んでしまいますよ。
詐欺ものにありがちな「大どんでん返し」がしつこいくらい、これでもかって感じで次々押し寄せてきて、読んでる方も目が回ってきます(笑)。
第一次大戦から第二次大戦までの極東アジアの歴史背景を知ってるとより楽しめますが、そんな小難しいことなんか全然知らなくったって充分面白い!

これは本気でチョーーーお薦めですよ!

ただねえ、井上尚登という人はあまり作品を出してないのでしょうか、他のも読んでみたいのだけどなかなか見つからないんですよね・・・。

井上 尚登:「T.R.Y.」

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2009.02.21

書評を始めるよ

実は意外にも(笑)子供の頃から割と本を読むのは好きで、子供の頃は、おじいちゃんからお小遣いの代わりに毎月1冊、本を買ってもらったりしてました。
でもねえ、大人になるとどうしても本を読まなくなるんですよね。
それはきっと時間がないからと言うよりも、活字を読むのが面倒になってくるからなのかなと思います。
書籍って、テレビや漫画と違って読み進めるのにけっこう頭使うしね。
だもんで、今読んでる本も、電車の中とか寝る前とかにちょこっと読むような本ばっかなので、あまり小難しい本は紹介しない(できない)と思いますが。
新刊、旧刊、廃刊、小説から写真集(?)まで気に入った本を不定期に紹介していこうと思ってますよ。

あと、お薦めの本があったら教えてくださいねっ。

記念すべき第一段はこれ。

伊坂幸太郎:「陽気なギャングが地球を回す」

hideandseekさんも日々流転的備忘録で伊坂幸太郎をお薦めされてましたが、私もこの人はかなりおすすめ。
ぶっちゃけ、最近一番ハマッてる小説家かな。

嘘を見抜く天才、演説で人を惑わせる天才、スリの天才、完璧な体内時計を持つ天才。
それぞれ変わった能力を持った4人組が、完璧な銀行強盗を計画し華麗に成功しますが、逃走中に偶然出くわした別な強盗団に金を奪われてしまいます。
銀行強盗という犯罪者集団を、なぜか「オシャレ」と思ってしまう、「こんな強盗になら遭ってもいいかも」と思えてしまう(笑)、軽快なコメディタッチの小説です。

伊坂幸太郎の小説、「オーデュボンの祈り」や「重力ピエロ」も良いのだけど、今のところ私の一番はこの「陽気なギャング」です。
彼の小説にはごくたまーにちょっぴり残酷かつ猟奇的な描写があって、これが彼の特徴でもあるんだろうけど、私にとってそれは、真っ白な雪原に一ヶ所だけ泥がついたような、少なからず違和感を感じることもあるのです。
そういう部分があまり感じられないのがこの小説。
チョー有名な作家なので、その文体のオシャレさとストーリーの秀逸さ(鬼のように広がった伏線と、見事な集約)は誰もが認めるところでしょう。
彼の小説はどういう訳かコンビニ強盗とか銀行強盗とか首相暗殺、殺人にスリなど、なんとも物騒なテーマばっかりなのですが、どういう訳か内容はやたらとファンタジックなのです、なんでだろ。

ちなみに今読んでるのも彼の「ゴールデンスランバー」なのですが、こちらは打って変わって常に顔面蒼白になります。
そのうちこっちもレビュー書くかもね。

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