日本で4人ものノーベル賞受賞が決まった訳ですが、イグ・ノーベル賞でも日本の研究グループが受賞しています。
イグ・ノーベル賞は、「人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に贈られる賞です。
いくつか話題にはなっていますが、ここらでちょっとおさらい。
今年の受賞はこんな感じでした。
■イグ・ノーベル医学賞
「値段の安い偽薬よりも高い偽薬の方が効果が高い」ことを確認したデューク大学のアリエリー経営学教授
・・・これって今更というか、要はプラシーボ効果ですよねえ。
単なるビタミン剤を「ものすごく良く効く薬」と言って飲ませると、本当に効果が出る、みたいなアレですよね。
■イグ・ノーベル文学賞
「バカ野郎:物語的手法を用いた、組織内で経験した憤慨についての研究」という職場に関する研究を行った、ロンドンにあるビジネススクールのデイビッド・シムズ氏
人はたとえ悪い行為でも一貫性が認められれば、解釈に苦しむような行為に比べて頭にこない。
つまり、度を超した天然ボケには腹が立つこともある、ってことでしょうか。
■イグ・ノーベル栄養学賞
味覚と音の密接な関係を実証したトレント大学(イタリア)とオックスフォード大学(イギリス)。
ポテトチップを食べているときに、コンピューターで修正したポテチの音を聞かせると、実際よりもパリパリした新鮮なスナック菓子だと誤解するということです。
■イグ・ノーベル認知科学賞
日本とハンガリーの科学者による“迷路を解く粘菌”の研究
「迷路のゴールに食料を置いて粘菌を放すと、最初は迷路いっぱいに広がるが、約10時間後には行き止まりや遠回りを避けて最短経路を探し出す」とのこと。
さすがにクロスワードや数独を解いてくれる訳じゃないみたいですが(笑)、これはかなり面白い研究結果ですね。
このページの一番下に迷路の写真がありますよ。
粘菌が迷路を最短ルートで解く能力があることを世界で初めて発見
■イグ・ノーベル生物学賞
イヌに寄生するノミはネコに寄生する個体より高く跳べることを実証したフランスの科学者
直径9センチの筒にノミたちを入れて、そこからジャンプして出られる高さを測ったそうです。
イヌノミは高飛びは平均30.4センチ、ネコノミの平均は19.9センチとのこと。
「だから何?」とは、絶対に言ってはいけないのです(笑)。
■イグ・ノーベル考古学賞
アルマジロが考古学の発掘現場を荒らしていることを実証したブラジルのサンパウロ大学のアラウージョ教授とマルセリーノ教授研究チーム
アルマジロは主に南米に生息し、地面に穴を掘って巣を作ったり、土の中にいる虫を食べています。
そのせいで、時代順に埋まっている遺跡がメチャクチャになることもあり、歴史が謝って解釈されることもあるそうです。
■イグ・ノーベル平和賞
植物にも尊厳を認める法律を採択したスイス国民と連邦倫理委員会。
連邦政府機関「Federal Ethics Committee on Non-Human Gene Technology(ヒト以外の種の遺伝子工学に関する連邦倫理委員会)、ECNH」がまとめた『植物界における生の尊厳』で、理由なく花を摘むのは「死刑」に等しいと、とのこと。
「理由なく」というのがアレというか、自宅に飾るためや研究のためならオッケーなんだそうで、しかも多くの国民がこの法律に賛同してるのだとか。
これですな。
植物の尊厳を認める報告書、スイスで : AFPBB News
■イグ・ノーベル経済学賞
ストリッパーのチップ収入が排卵周期に影響されることを発見したニューメキシコ大学の研究者
ストリッパーが最も稼ぐのは、生殖能力が最も高い時期である、とのことです。
何がどう経済学なのか良く分からないんですが(笑)、とりあえず「ヒトの発情期と経済の密接な繋がり」的な話らしいです。
■イグ・ノーベル物理学賞
大量の糸や髪の毛は外部要因がなくとも必ずからまるという、“新ひも理論”を数学的に証明した研究チームが受賞。
120種類の糸や髪などとにかく細くて長いものを箱に入れて地面に落としたところ、ほぼ100%の確率でからまったのだとか。
確かに私が持ってる裁縫箱の底には、とぐろを巻いた糸が大量に・・・(汗)。
■イグ・ノーベル化学賞
都市伝説の解明に迫った2つのグループがダブル受賞
コカコーラは避妊に効果があるという結論を立証したボストン大学医学部のデボラ・アンダーソン氏。
コカコーラは避妊に効果がないという結論を立証した台湾の台北医科大学研究チーム。
ええと、これはどちらが正しいのでしょうか?
それを立証した人が来年受賞するのかな??
・・・どれもちょっと笑っちゃうよう(または失笑?)な研究ばかりですが、ノーベル賞より身近ではありますよね(笑)。
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